高血圧について

高血圧とメタボリックシンドロームの関連について


メタボリックシンドロームとは、腹部肥満をベースとし、高血圧や高血糖、脂質代謝異常などの危険因子が重なった状態のことです。日本人の場合、メタボリックシンドロームを構成する危険因子の内、高血圧が最も多く見られます。高血圧は、単独であっても心疾患のリスクを高める要因です。そのため、両方が重なることは非常に注意が必要となります。


血圧が高い人は、メタボリックシンドロームだけでなく、慢性腎臓炎や臓器障害、新血管症などを併発していることが少なくなく、喫煙の習慣や遺伝、高齢などの要因を持っていることもあります。メタボリックシンドロームは、高血圧のリスクを高める危険因子の一つのため、血圧が正常値のレベルであっても中等リスクと判断されます。


メタボリックシンドロームを直訳すると代謝症候群となります。米国の基準では、耐糖能異常、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、内臓脂肪型肥満、高血圧の内の3項目以上を満たすとメタボリックシンドロームと定義しています。この基準を満たした場合、糖尿病の発症リスクが9倍、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが3倍上昇すると言われています。


メタボリックシンドロームと高血圧の関連性は、インスリン抵抗性にあります。インスリン抵抗性とは、糖が負荷された場合、血糖を下げるための力をえるために多量のインスリンが必要となります。同じインスリンの量であっても、標準体型の人よりも肥満の人は、より多くのインスリンが必要となるため、インスリンの効果が得られにくくなります。インスリン抵抗性は、肥満や過食、運動不足などが要因で発生します。


さらに、インスリン抵抗性は、交感神経の活性化や血管収縮、血管平滑筋の肥大、尿細管からのNaの再吸収を増加させるため、結果として、血圧が上昇してしまうと考えられています。特に、肥満を伴う高血圧は心肥大を起こしやすいと言われており、高血圧予防のためにも、肥満改善が効果的とされています。